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data3:パリ

2001年の7月には、シャンゼリゼ通りに程近いジョルジュ・サンク通りのフォ−シ−ズンズ・ジョルジュ・サンクという4つ星ホテルのロビーには、巨大なカトレアが記念日を祝して鎮座していた。

7月のパリ(季節はずれではあるが)と言えば、パリ祭(日本ではこう呼ぶが、正式には革命記念日という)の気分で街は盛り上がっている。かのシャンゼリゼ通りにも「自由、平等、博愛」を意味するトリコロールカラーのフランス国旗がはためく。

ワインレッドのカトレアには牡丹色のカラーが挿してあり、その周りにはフューシャピンクとありふれたピンクのカーネーションがアートのように帯をなしている。まさに大胆以外の言葉は見つからない程のアレンジである。クラシックな調度品との見事なまでのハーモニー。圧巻である。 かねてからのヨーロッパでの‘禅(ZEN)ブームで、日本の‘盆栽(BONSAI)’をロビーに堂々と出現させていた。大理石の彫刻を含む白い空間に忽然と現れた漆黒の鉢に植わる和風な若草色のミニチュアの(といっても卓上サイズではないが)木々や苔。そのまん中に1本の蘭が、壁側にアレンジされた巨大な蘭と呼応している。フランス的な
カマイユ配色の空間に日本的なコントラストの世界が広がる。
さりげなく片隅に置かれたアレンジさえも印象深い。青磁を思わせる花器に曲がりくねったみずみずしい黄緑のバンブ−とラベンダー色のカトレアが溢れんばかりの色香を放っている。竹と花は見事な色の分量で反対色の配色を全うし、それに添えられた器は主役を引き立てる落ちついた色に抑えられている。


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